道をひらく 松下幸之助著
真実を知る
人間は、ものの見方一つで、どんなことにも堪えることができる。
どんなつらいことでも辛抱できる。のみならず、いやなことでも明るくすることができるしつらいことでも楽しいものにすることができる。
みな心持一つ、ものの見方一つである。同じ人間でも、鬼ともなれば仏ともなるのもこの心持一つにあると思う。
そうとすれば、人生において絶望することなど一つもないのではあるまいか。
ただ、この、ものの見方を正しく持つためには人間は真実を知らねばならないしまた真実を教えなければならない。
つまり、ものごとの実相を知らねばならないのである。
もちろん、情愛は大切である。
だがかわいそうとか、つらかろうとか考えて情愛に流されて真実をいわないのは、本当の情愛ではあるまい。
不幸とは、実相を知らないことである。真実を知らないことである。
人間はほんとうは偉大なものである。
真実に直面すれば、かえって大悟徹底し落ちついた心境になるものである。
だからおたがいに、正しいものの見方を持つために素直なこころで、いつも真実を語り真実を教え合いたいものである。
今日は「真実を知る」です。
正しいものの見方を取得するためには、真実を知り、真実を語らなければならないとあります。
日々お客様や上司と接していると、たまに真実でない事を真実のように間違って伝えることや、間違って解釈してしまうことがあります。
「嘘も方便」という諺がありますが、これは解釈や使い方を間違うととんでもないことになります。では、どう考えるかというとやはり真実を真心込めてお客様に伝える方が何倍もいいということになります。その為には冷静に何が真実なのかを見極める目が必要になります。間違って物事を捉えてはいけません。
真実を正しく捉え、何が間違ったのかを冷静に判断し、その間違いを真心を持って対処すれば自ずと道は開けるものだと信じることです。真実を語るには勇気が必要です。
会社経営を行なっていると、嘘をつく誘惑にかられることが時たまあります。しかし、やはり長い目で見れば真実を伝えることに勝る信頼を勝ち得る方法はないと思います。