道をひらく 手探りの人生

「道をひらく」 松下幸之助著

目次

手探りの人生

 目の見えない人は、なかなかケガをしない。むしろ目の見える人の方が、石につまずいたり、ものに突き当たったりしてよくケガをする。なまじっか目が見えるがために、油断するのである。乱暴になるのである。

 目の見えない人は手さぐりで歩む。一歩一歩が慎重である。謙虚である。そして一足歩むために全神経を集中する。これほど真剣な歩み方は、目の見える人にはちょっとあるまい。

 人生で思わぬケガをしたくなければ、そして世の中でつまずきたくなければ、この歩み方を見習うがいい。「一寸先は闇の世の中」といいながら、おたがいにずいぶん乱暴な歩み方をしているのではなかろうか。

 いくつになってもわからないのが人生というものである。世の中というものである。それなら手さぐりで歩むほか道はあるまい。わからない人生を、わかったようなつもりで歩むことほど危険なことはない。わからない世の中を、みんなに教えられ、みんなに手を引かれつつ、一歩一歩踏みしめて行くことである。謙虚に、そして真剣に。お互いに人生を手さぐりのつもりで歩んでゆきたいものである。

今日は「手さぐりの人生」です。とかく大人になるとわかったように振る舞うことが多いかと思います。わからないと思うことが謙虚な姿勢を生み、探究心が芽生え、周りの人が助けてくれるのでしょうね。ゴルフも同じかな(笑) いつまでたってもゴルフはわかりません!(2022年加筆)賢い人はすぐにわかったとおもう!ここに落とし穴があるのではないでしょうか?いかに自分がわかっていないか(平凡であるか)を常に意識する重要性を考えさせられる一説である。経営を「わかった」とする怖さも再確認させられました

松下幸之助「仕事には哲学をもて」

販売・営業の哲学

 昔、大阪の商人、江戸の商人におきましても、お得意先の方向に足を向けて寝てはならんと言うことが、お店の教えとして長年にわたって伝えられておったことが、商店の一つの美徳といたしまして、いろんな書物に書き残されておることは、皆様のご承知の通りであります。自分の店の今日あるのは、結局は自分の店をごひいきくださるところのお得意先のおかげであるということで、足を向けてはいかんぞ、足を向けて寝てはもったいない、また、ジャンと半鐘の音を聞いたならば、何としても駆けつけてお助けしなければならないというのが、江戸時代の商人の心意気であったと、私どもは書物その他において聞かされております。
 私自身におきましても、いろんな困難に直面した時に思い出されるのは、結局それでありますお得意先様ほどありがたいものはないという感じでございます。
(昭和36年2月16日・松下電器新役員披露パーティー)

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