道をひらく 真剣勝負

「道をひらく」 松下幸之助著

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真剣勝負

剣道で、面に小手、胴を着けて竹刀で試合をしている間は、いくら真剣にやっているようでも、まだまだ心にスキがある。しかしこれが木刀で試合をするとなれば、いささか緊張せざるを得ない。打たれれば気絶するし、ケガもする。死ぬこともある。まして真剣勝負ともなれば、一閃(いっせん)が直ちに命にかかわる。勝つこともあれば、また負けることもあるなどと呑気なことをいっていられない。勝つか負けるかどちらか一つ。負ければ生命がとぶ。真剣になるとはこんな姿をいうのである。

 人生は真剣勝負である。だからどんな小さな事にでも、生命をかけて真剣にやらなければならない。もちろん窮屈になる必要はすこしもない。しかし、長い人生ときには失敗することもあるなどと呑気にかまえていられない。これを失敗したときの慰めのことばで、初めからこんな気がまえでいいわけがない。真剣になるかならないか、その度合によってその人の人生はきまる。

 大切な一生である。尊い人生である。今からでも決しておそくはない。お互いに心を新たにして、真剣勝負のつもりで、日々にのぞみたいものである。

今日は「真剣勝負」です。
私は30で独立してから常に毎日が真剣勝負です。会社が潰れれば全てを失います。何かをなす時には、時としてそんな心がけも必要なのかなと思います。
(2022年加筆)長い人生のなかでは色々な場面に遭遇します。そんな時「深刻になるな、真剣になれ」とお話をしますが、その真剣とはどういうことなのかを考えさせられる言葉だと思います。やはり命のやりとりがある真剣勝負なんだと、時には思えることが自分の人生をより良いものにするためには必要であります。「朝は希望をもって起き、日中は真剣に働き、夜は感謝で眠りにつく」です。

松下幸之助 仕事には哲学をもて

一軒のお得意先を守ることが百軒のお得意先様を増やす

 お得意先様を増やす努力はもちろん大切だが、現在のお得意先様を守ることも、劣らず大事なことでしょう。
一軒のお得意先様を守ることが、百軒のお得意先様を増やすことになる。一軒のお得意先様を失うことは、百軒のお得意先様失うことになる、そういう気持ちが肝心でしょうな。(「サンケイ新聞」昭和51年5月13日)

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