道をひらく 松下幸之助著
目次
花のように
砂漠に見出す清らかな泉は、旅行く人の喜びであり憩いであり、そして励ましである。
荒涼たる山野に、毅然として咲き誇る一輪の花は、また旅人へのこよなき慰めとなり励ましとなる。
今の世の中が、荒野の如く荒れ果てているとは敢えていわないが、それでもこのむつかしい時代に、人々の心は次第に落ち着きを失って、索漠(さくばく)たる気配が感ぜられぬこともない。
おたがいに手をつなぎ、助け助けられながら生きねばならぬこの世の中である。
人の心が砂漠の如く荒れ果ててはたまらない。
せめてわれわれだけでも、清らかな泉のように、毅然たる一輪の花のように、強く正しく働いてゆこうではないか。
むつかしいことかもしれないが、自分の仕事に誇りを持ち、自分の働きに意義を感じるならば、わが身の処し方もおのずからに見いだされてくるであろう。
どんな世の中になっても、あわてず、うろたえず、淡々として社会への奉仕を心がけてゆこう。その姿自体が、人々にとってすでに大きな励ましとなり、憩いとなるのである。
花のように。泉のように。そこにわれわれの喜びがある。
今日は「花のように」です。
今日の話とは違いますが、私の好きな言葉に「置かれた場所で咲きなさい」という言葉があるのですが、とかく人間は自分に最適な場所を探そうとしますが、そのようなものはほぼ無く、一生懸命置かれた場所で、頑張れば、素敵な花が咲くのだとおもいます。 自分の周りの人のために、素敵な花を心に咲かせておくことが、自分の喜びになったら素敵な人生だとおもいます!
松下幸之助 仕事には哲学をもて
サービスとは正しい礼儀である
本当のサービスとは、人に喜びを与えるということじゃないですか。特に、今日は潤いが乏しくなってきましたからな。サービス精神という潤滑油がもっと求められてもいい時代じゃないですか。商売をしている人はもちろん、全ての人が、サービス精神に欠けてはいけませんよ。友人に対しても、自分の会社、商店、社会に対しても全てサービスですよ。廊下であっても、ちょっと笑顔で会釈して通るのがサービス。だからサービスというのは正しい礼儀でんな。