道をひらく 松下幸之助著
目次
サービスする心
与え与えられるのが、この世の理法である。
すなわち、自分の持てるものを他に与えることによって それにふさわしいものを他から受けるのである。これで世の中は成り立っている。
だから、多く受けたいと思えば多く与えればよいのであって、
充分に与えもしないで、多く受けたいと思うのが
虫のいい考えというもので、こんな人ばかりだと世の中は繁栄しない。
与えるというのは、わかりやすくいえばサービスするということである。
自分の持っているもので、世の中の人々に精いっぱいのサービスをすることである。
頭のいい人は頭で、力のある人は力で、腕のいい人は腕で、優しい人は優しさで、そして学者は学問で、商人は商売で・・・。
どんな人にでも、探し出してくればその人だけに与えられている尊い天分というものがある。
その天分で、世の中にサービスをすればよいのである。
サービスのいい社会は、みんなが多く与え合っている社会でだからみんなが身も心もゆたかになる。
おたがいに繁栄の社会を生み出すために、自分の持てるもので精いっぱいのサービスをしあいたいものである。
今日は「サービスする心」です。 give&take(ギブアンドテイク)って聞いたことがありますよね。 言葉の順番はギブが先でテイクが後なのわかりますか? 与えることを先にやると何かを得ることができるのです。営業の基本なんじゃないですかね。 でもこれなら普通にちょっといいぐらいです。 さらに良いのはギブ&ギブ&テイクではないでしょうか?これぐらいの気持ちを持っていてちょうどだと思います。異性に対してこの気持ちで接していれば不愉快を与えることはないでしょう!(笑) 人として大事にしたい心がけでしょうね。
松下幸之助 仕事には哲学をもて
仕事を減らしてでもサービスに完全を期す
今かりに5つなら5つの仕事をしているとします。その5つの仕事をしていて、5つとも十分なサービスができているのであれば、それはそれでいいと思います。けれども、それだけの力がないということでしたら、あえてそれを3つに減らして、そして仕事もサービスも完全を期するということも時には必要ではないかと思うのです。そうしなくては、需要家に対して、ほんとうに生産者、販売業者としての責任を全うすることができないわけです。(「経営心得帖」(PHP研究所)・昭和49年7月)