道をひらく 松下幸之助著
目次
生かしあう
人間の生命は尊い。尊いものは誰もが尊重しなければならぬ。
ところが、自分の生命の尊いことはわかっても、他人の生命もまた尊いことは忘れがちである。
ともすれば私心に走り私利私欲が先に立つ。
つまり、自分にとらわれるということで、これも人情としてやむをえないことかもしれない。しかし、これではほんとうに、お互い相互の繁栄は生まれないであろう。人間本来の姿は生かされないであろう。
やはり、ある場合には自己を没却して、まずは相手を立てる。自己を去って相手を生かす。
そうした考えにも立ってみなければならない。そこに相手も生き、自己も生きる力強い繁栄の姿がある。尊い人間の姿である。
自己を捨てることによってまず相手が生きる。その相手が生きて、自己もまあおのずから生きるようになる。
これはいわば双方の生かし合いではなかろうか。そこから繁栄が生まれ、ゆたかな平和と幸福が生まれてくる。
おたがいに、ひとく社会の繁栄に寄与するため、おたがいを生かし合う謙虚なものの考え方を養いたい。
今日は「生かし合う」です。 禅の言葉には沢山いい言葉があるのですが、その中に「自未得度先度他」(じみとくどせんどた)という言葉があります。 自分のことより先に人のことを考えるという意味です。 私も心がけてもなかなかその境地には行けません、が、常に心がけることはまずは可能です。 このような行動や気持ちがお互いに生かし合うことができるのではないかと思います。 ギブアンドギブアンドテイクです。組織のお互いがそのような崇高な気持ちを持ってお互いを生かし合うことが、素晴らしい営業部を作ることなのかなって思っています。 今日も一日頑張りましょう!! (2022年加筆)これこそ、学ぶべき利他の精神ではないかとおもわれます。経営には「利他の精神」を取り入れていきたいものである。
松下幸之助 仕事には哲学をもて
宣伝は企業の義務である
われわれには知らせる義務があるんです。義務的宣伝これが宣伝の基本であるということですな。
まあ、買う人は一所懸命だから、悪い商品やったら買いませんわ。でも消費者もときには錯覚を起こすことがある。だから、教育が必要になる。広告もその一つの役割を果たします。「こういうものを使ったらお得になりますよ」と言ってあげないといけません。消費者に意見を言う。と言ってはおかしいけれど、ときには説得する必要もありますな。 (「国際商業」昭和52年3月号・岡内栄夫氏との対談)