道をひらく 絶対の確信

道をひらく 松下幸之助著

目次

絶対の確信

この世の中、この人生
人はすべからく絶対の確信を持って力強く歩むべしといわれる。
それはまことにそうだけれども、よく考えてみれば
この世の中に、絶対の確信などあり得るはずがない。持ち得るはずがない。

刻々にかわりゆくこの世の中、あすをも知れぬ人の世で神か仏でないかぎり、絶対にまちがいのない道などほんとうはないのである。
だからこそ、おたがいに誤ち少なく歩むため
あれこれと思い悩み、精いっぱいに考える。
その果てに、どうにもほかに道がなさそうで
だからこの道がいちばんよさそうで、そう考えて
それでもまだ心もとないけれども
心もとないままではしかたがないから
そこに勇気をふるって歩みつづけるのである
みずからを励まし励まし歩みつづけるのである。

確信ありげに見えても、ほんとうは手さぐりの人生でまことにつつましやかなものである。
たよりないといえばたよりないかもしれないが
持てもしない絶対の確信に酔うよりも
この心がまえで謙虚に歩むほうが
われも人も傷つくことが少なくて
結局は最良の道になるのではなかろうか

今日は「絶対の確信」です。

世の中には絶対という事はありえないと思います。自分の選んだ仕事、自分の選んだ方法、自分の選んだ道。
全てにおいて絶対に正しいと思える人は数少ない人達だと思います。
私自身もそうです。会社を辞めて会社を作った時。絶対に正しいとは考えれなかったわけです。
では、どうしたかというと選んだ道が正しいとするのではなく、選んだ道を正しい道に変えてしまうことを考えました。
つまり、自分の選んだ道を誠実に着実に一歩一歩前進させる事を考えて実践しようと思ったわけです。そうすることによって雑念を(間違ってるのではないかという)自分の中から排除し、真剣に前進させるわけです。
つまり遅くてもいい、回り道をしてもいい、しかし着実に誠意を持って前進させることでその道を正しい道に変えてしまえばいいと判断したのです。
これで迷いなく道を歩む勇気を持つことに至りました。
いろいろな道を見るから迷うこともあるのではないでしょうか?
目の前に何かの縁があって出て来た道。その道は絶対に正しい道ではないかもしれませんが、自分の努力を信じ、出会う人達に感謝の気持ちを持ち、ひたすら努力することで正しい道を自分で作れるように思います。

正しい道はあるのではなく、作るのだと思います。

松下幸之助 仕事には哲学をもて

公平で適正な賞罰が必要である

経営の上で最も大切なことは、協力一致する雰囲気を培うことである。いかによい方針があっても、各自の活動の分野で障壁を打ち立てていては、結局、お互いの働きは打ち消され、マイナスの方向に進むばかりである。共同の気風を醸成するためには、まずは賞罰をあきらかにすることである。会社である以上、大勢の人々の集まりであり、その中には怠ける人もある。また仕事に興味をもち熱心に働いている人もある。いろいろ様々であるが、そのままの姿が是として認められてはならない。やはり、それぞれに相応して遇せられなければならない。誤った人は正さなければならない。すなわち公平に正して適正な賞罰が必要である。(昭和二十五年七月十七日・松下電器緊急経営方針発表)

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