道をひらく プロの自覚

道をひらく 松下幸之助著

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プロの自覚

プロとは、その道をわが職業としている専門家のことである。
職業専門家とは、つまりその道において一人前にメシが食えるということである。
いいかえれば、いかなる職業であれその道において他人様からお金をいただくということは
すでにプロになったということである。アマチュアではない。

芸能やスポーツにおいては、プロとアマチュアの区別はきびしい。
真にプロに値するものでなければ
お客はたやすくお金を払ってくれない。 
お客は慈善の心で払いはしないのである。
だから、プロを志すことは容易ではないしプロを保持するための努力もなみたいていではない
甘えてはいられない。

学校を出て会社や官庁にはいる。
はいれば月給がもらえる。
月給をもらうということはいいかえればその道において自立したということであり
つまりはプロの仲間入りをしたということである。もはやアマチュアではない。
そうとすれば、芸能界やスポーツ界の人々と同じく
またプロとしてきびしい自覚と自己鍛錬が必要となってくるはずである。 

おたがいにプロとしての自覚があるかどうか。

今日は「プロの自覚」です。

私もこの言葉はたまに使いますが、私たちはお給料ももらって仕事をしていると言うことはアマチュアではなくプロ、いわゆるプロフェショナルなんです。
多くの人たちがプロフェショナルと聞いたら多分野球やサッカー選手を想像しますが、その人達と私達はなにも変わりません。
多くの人が感動しまた流石にプロだなと言われる人たちは、人々に感動を与え、また、自分自身もそれを自覚し日々多くの試練に耐え精神的にも肉体的にも鍛えあげておられます。
では、私達はどうなんでしょうか?
中途半端なプロフェショナルになっていませんか?完全なアマチュアなら許してもらえるかもしれません、しかしお金をもらって仕事をしている限りその道のプロとしての自覚をまずはしっかりと持ち、知識をつねに増やす努力をし、人々から流石にプロは違うと言われなければ本当のプロとは言えないのではないかと思います。
本当のプロとニセモンのプロの差はその考え方や毎日の鍛錬と言える習慣づけや意識、行動の差ではないかと思います。人々に感動を与える真のプロフェショナルを目指して、やりがいのある生き方をしてほしいものです。

松下幸之助 仕事には哲学をもて

新製品についてまわる

とにかに新製品を出せばそれについてまわることが大事です。「今日出した品物は初めての品物である。どこへ売ったか」「大阪の何々商店へ売りました」「じゃあ、その商店へ一ぺん行ってこい」と。「あなたのほうはそれを買ってくれましたか」「買いました。しかしまだ売ってないんです。店においてあるだけです」「ああそうですか。店においた範囲においてあなたはどう思いますか」「店においている範囲ではまあまあです」「それは結構です。まあできるだけ売ってください」と。三日おいて、「売った結果はどうですか」と。「きのう売りました。まだ様子は聞いていません」「ここへ売りました」「じゃあ、私そこへちょっと行って参ります」というてそこへ行く。「きのうあなたが何々商店でお買いになった電熱器はいかがですか」ということを尋ねてみる。「あれは使ったけどちょっと熱が高い。なかなか使いにくい」ということであれば、「いや、それはこういうようにされたらいいんです」と教えてさしあげる。また、「いや、あれが非常に結構だ」と言われればこれは安心である。
そういうようにズーッとやれば、かりに不良があればすぐにわかるし、先方も満足するし、失敗を重ねるということは絶対にありえない。(昭和三十三年九月一日・松下電器全国営業所長会議)

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