道をひらく 教えなければ

道をひらく 松下幸之助著

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教えなければ

人間はえらいものである。たいしたものである。動物ではとてもできないことを考えだして、思想も生みだせば物もつくりだす。まさに万物の王者である。
しかしそのえらい人間も、生れおちたままに放っておいて、人間としての何の導きも与えなかったならば、やっぱり野獣に等しい暮らししかできないかもしれない。
古来、どんなにすぐれた賢者でも、その幼いころには、やはり父母や先輩の教えを受け、導きを受けてきた。その上に立っての賢者であって、これらの教え導きがなかったら、せっかくの賢者の素質も泥に埋もれたままであったろう。
教えずしては、何ものも生まれてはこないのである。教えるということは、後輩に対する先輩の、人間としての大事なつとめなのである。その大事なつとめを、おたがいに毅然とした態度で、人間としての深い愛情と熱意をもって果たしているかどうか。
教えることに、もっと熱意を持ちたい。そして、教えられることに、もっと謙虚でありたい。教えずしては、何ものも生まれてはこないのである。

今日は「教えなければ」です。

人間と動物の違いは?
それは学習できること学ぶことができることです。
最近人工知能がもてはやされていますが、これは教えなければただの箱です。私たちも教えられなければただの哺乳動物です。人生は生涯勉強です。
考え方としては、永遠に生きるかのように学べ!です。
禅語に「老鶴万里心(ろうかくばんりのこころ)」という言葉がありますが、年老いた鶴でも万里を越えようとする心さえあれば大空を飛ぶことができるという言葉です。学ぶことに遅すぎることは全くありません。いつからスタートしてもいいのです。今日からでも!また、「教師は最大の生徒」です。
教わったことを人に話してみましょう!それで自分の理解がどの程度なのかよくわかります。常に小学生でもわかるように話せることが理解できているかどうかの確認方法だと思います。学んだことを後輩に教えてあげる。これこそが自分の価値を最大限あげる方法なんだと思います。
教えることにもっと熱意を!
教わることにもっと謙虚に!
そんなチームこそ私が思う日本一の営業部なんだと思います。

松下幸之助 仕事には哲学をもて

大きな歯車も小さな歯車も必要である

人の組み合わせというのは微妙なものですね。会社の場合、非常に立派な二人の経営者が社長と副社長になっても、相性が悪いとうまくいかない。しっかりした人があまりたくさん集まると、けんかばかりしてかえって能率が上がらんこともある。しっかりした者も必要やし、少し優しい者も必要やし・・・それがうまく組み合わさったときに、総合的な力が出る。大きな歯車も小さな歯車もどっちも必要で、大きな歯車だけが尊いのじゃない。(「プレジデント」昭和四十二年七月号)

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