和を何よりも大切なものとし、、、
和を何よりも大切なものとし、いさかいを起こさぬことを根本としなさい。上の者も下の者も協調・親睦の気持ちをもって論議するなら、自然とものごとの道理にかない、どんなことも成就するものだ。
「和を以て貴しとなす。」(17条憲法1条)
我必ず聖に非ず、彼必ず愚かに非ず、、、
我必ず聖に非ず、彼必ず愚かに非ず、共に是れ凡夫ならくのみ。
自分はかならず聖人で、相手がかならず愚かだというわけではない。皆ともに凡人なのだ。
人みな心あり、、、
人みな心あり、心各々(おのおの)執(と)るところあり。
忿(こころのいかり)を絶ち瞋(おもてのいかり)を棄(す)て、、、
忿(こころのいかり)を絶ち瞋(おもてのいかり)を棄(す)て、人の違(たが)うを怒らざれ。
「心の中の憤りをなくし、憤りを表情にださぬようにし、ほかの人が自分と異なったことをしても怒ってはならない。人それぞれに考えがあり、それぞれに自分がこれだと思うことがある。」
功績・過失をよく見て、、、
功績・過失をよく見て、それに見合う賞罰を必ず行いなさい。
功と過を明らかに察て、賞罰を必ず当てよ。(17条憲法11条)
部下に仕事を任せる者は、、、
部下に仕事を任せる者は、任せる仕事を熟知していなければなりません。
礼を以て本とせよ。(17条憲法第4条)
礼儀を大切にせよ。民を治めるためには、必ず礼儀を大切にしなければならない。上の身分の者が礼儀を乱せば、下の者の秩序は乱れ、下の者が礼儀を乱せば、罪を犯す者が現れる。礼儀を大切にすることで秩序が保たれ、国は自然に治まっていくだろう。
悪しきを懲らし善を勧むる(17条憲法第6条)
善きものは隠さず、悪しきものはこれを必ず正すこと。媚びへつらいや他人を欺く行為は、民衆を滅ぼす剣のようだ。このような人間は仁徳がなく、国を乱す元凶をなすものである。
信は是義の本なり(17条憲法第9条)
嘘のない真の心は、善く生きる秘訣である。真の心がない者は、何をやっても失敗する。
夫れ事独り断むべからず。(17条憲法第17条)
なんでも1人の独断で決めてはいけない。些細な事ならいざ知らず、大事なことを一人で決めてしまうと判断を誤ることもあるが、みんなで議論を尽くせばきっと良い結論が得られるはずである。
聖徳太子「十七条憲法」を覚えよう!
日本を理想の国に導こうとした聖徳太子の意志を表したものである。
現代もこの十七条憲法は時代を超えての真理ではないでしょうか?
聖徳太子が制定した十七条憲法は、制定されてから約1400年もの時がたっているが、その内容は、色あせることない。現代に生きる私たちにとっても教訓とすべき内容が数多く込められている。
第1条 和を以て貴しとなす
(やわらぎをもってたうとしとなしさがふことなきをむねとなす)
第2条 篤く三宝を敬へ
(あつくさんぽうをうやまへ、さんぽうとはぶつとほうとそうとなり)
第3条 詔を承りては必ず謹め
(みことのりをうけてはかならずつつしめ)
第4条 礼を以て本とせよ
(れいをもってもととせよ)
第5条 饗を絶ち欲することを棄て、明に訴訟を弁めよ。
(あぢはひをたちよくをすててあきらかにうったへをわきまえよ)
第6条 悪しきを懲らし善を勧むる
(あくをこらしぜんをすすむるはいにしえのよきのりなり)
第7条 七に曰く、人各任有り
(ひとおのおのよきしつかさどることありよろしくみだれざるべし)
第8条 群卿百寮、早朝晏退でよ。
(ぐんけいひゃくりょうはやくまゐりいておそくまかれよ)
第9条 信は是義の本なり
(しんはこれぎのもとなりことごとにしんあれ)
第10条 忿を絶ち
(こころいかりをたちおもていかりをすてひとのたがふをおこらざれ)
第11条 功と過を明らかに察て、賞罰を必ず当てよ。
(あきらかにこうかをさっしてしょうばつかならずあてよ)
第12条 国に二君非く、民に両主無し。
(くにのつかさくにのみやつこひゃくしょうにおさめとることなかれ)
第13条 諸の官に任せる者は、同じく職掌を知れ。
(もろもろのかんによさせるものおなじくしょくしょうをしれ)
第14条 群臣百寮、嫉み妬むこと有ること無かれ。
第15条 私を背きて公に向くは、是臣が道なり。
(わたくしにそむきおおやけにむくはそれしんのみちなり)
第16条 民を使うに時を以てするは、古の良き典なり。
(たみをつかふにときをもってするはいにしえのりょうてんなり)
第17条 夫れ事独り断むべからず。(それごとはひとりさだむべからずかならずしうとともにあげつらふべし)