道をひらく 松下幸之助著
勤勉の徳
天災地変をまつまでもなく、粒々苦心の巨万の富も事あらば一朝にして失われてしまうことがしばしばある。
形あるものはいつかは滅びるにしてもまことにはかない姿であるといえよう。
だがしかし、身についた技とか習性とかはこれは生あるかぎり失われはしない。
たよりになるのは、やはり自分の身についた技、身についた習性。
だから、何か一つでもいいから、よき技よき習性を身につけたいものであるがなかでもいわゆる勤勉習性は何にもまして尊いものに思われる。
勤勉は喜びを生み、信用を生み、そして富を生む。
人間のいわば一つの大事な徳である。
徳であるかぎり、これを積むには不断の努力がいる。
相撲に強くなるためには不断に真剣なけいこを積まねばならないように 勤勉の習性を身につけるためにはまず日々を勤勉につとめる努力がいるのである。
その努力が重なって勤勉の習性が身につきその習性からはじめて徳が生まれてくる。
おたがいに勤勉の徳を積みたいものである。
今日は「勤勉の徳」です。
好きな言葉に「今日死ぬかのように最後の1日を真剣に生き、永遠に生きるかのように勉強を生涯する」というものがあります。
生涯学習は私の人生のテーマです。(学生時代あんなに勉強嫌いだったのに)知識を積み上げることは、人生を積み上げることだと思っています。
勤勉に生きることは徳を積み上げることです。一生懸命仕事をし、一生懸命学ぶ!この姿勢こそ生きることに必要な人としての徳を積むことに他なりません。
私は、学ぶことをやめてしまうと人として生きる価値を失うことだと思っています。禅の言葉に「歩々是道場」という言葉がありますが、どんな場所でもどんなものからでも学ぶ姿勢さえあれば学べます。もちろん沢山の本を読むことも大事です。そして学んだことを実践することです。この実践がなければただの雑学の多い理屈ぽい人で終わります。
「知行合一」いわゆる、知っていることと、行なっていることを合わせなければ意味はないのです。多いに知識を得て、多いに行動してください。それを人は、この人は勤勉であると言ってもらえるのだと思います!!生まれた限りそんな人間になりたいものです。