道をひらく あぶない話

道をひらく 松下幸之助著

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あぶない話

失敗するよりも成功したほうがよい。これはあたりまえの話。
だが、三べん事を画して、三べんとも成功したら、これはちょっと危険である。
そこからその人に自信が生まれ確信が生じて、それがやがては「俺にまかせておけ」と胸をたたくようになったら、もう手のつけようがない。
謙虚さがなくなって他人の意見も耳にはいらぬ。こんな危険なことはない。もちろん自信は必要である。
自信がなくて事を画するようなら、はじめからやらないほうがよい。
しかしこの自信も、みな一応のもので、絶対のものではない。世の中に絶対の確信なんぞ、ありうるはずがないし、持ちうるはずもない。みな一応のものである。みな仮のものである。
これさえ忘れなければ、いつも謙虚さが失われないし、人の意見も素直に聞ける。だが、人間というものは、なかなかそうはゆかない。ちょっとの成功にも、たやすく絶対の確信を持ちたがる。
だから、どんなえらい人でも、三度に一度は失敗したほうが身のためになりそうである。
そしてその失敗を、謙虚さに生まれかわらせたほうが、人間が伸びる。失敗の連続もかなわないが、成功の連続もあぶない話である。

今日は「あぶない話」です。

仕事をしていて、失敗の連続も成功の連続も問題があると言う事のようですが、小さな失敗は成長には必要かなと思います。「失敗は成功の母」だと私は思っています。
ただし、その失敗から何も学ばずに同じ失敗を繰り返すのは愚の骨頂であります。こけた時には、立ち上がらなければなりません、しかし、立ち上がる時に何も持たないで立ち上がるのはとても問題です。
少なからず反省をし、何かを掴んで次の糧にするから失敗も生きて来ると思います。
また、成功にも問題が潜んでいるのですが、成功が続くと人間は有頂天になり自信が過信に変わることがあります。成功した時こそ謙虚に自分だけの力ではなく、周りの協力があっての成功なんだと自分に言い聞かせ謙虚さを忘れないことです。
「実るほどこうべを垂れる稲穂かな」です。
ちょっとした成功で有頂天になり、人間としてダメになっていった人を私自身数多くみてきました。やはり人間は成功者ほど腰が低く、人様のお陰で」という気持ちが大事なんだと思います。

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