道をひらく 雨が降れば

道をひらく 松下幸之助著

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雨が降れば

雨が降れば傘をさす。傘がなければ風呂敷でもかぶる。それもなければぬれるしか仕方がない。
雨の日に傘がないのは、天気のときに油断して、その用意をしなかったからだ。
雨にぬれて、はじめて傘の必要を知る。そして次の雨にはぬれないように考える。
雨があがれば、何をおいても傘の用意をしようと決意する。
これもやはり、人生の一つの教えである。
わかりきったことながら、世の中にはそして人生には、晴れの日もあれば雨の日もある。
好調の時もあれば、不調の時もある。にもかかわらず、晴れの日が少しつづくと、つい雨の日を忘れがちになる。
好調の波がつづくと、ついゆきすぎる。油断する。
これも、人間の一つの姿であろうか。

このことをいましめて昔の人は「地にいて乱を忘れず」と教えた。

仕事にしても何にしても、この道理はやはり一つである。
雨が降れば傘をさそう。傘がなければ、一度はぬれるのもしかたがない。
ただ、雨があがるのを待って、二度と再び雨にぬれない用意だけは心がけたい。
雨の傘、仕事の傘、人生の傘、いづれにしても傘は大事なものである。

 
今日は「雨が降れば」です。
雨が降れば傘をさす。普通の行為です。
しかし、雨が降ることを事前にチェック出来ている人は事前に傘を用意します。
仕事も事前に予測をし、準備を怠らないことが肝心です。
とかく、頭ではわかっていても良い時には悪くなることを考えずに準備を怠るものです。
数字はやはり波があります。
良い時にこそ、次の悪くなった時を考えて準備していれば、何事もなく無事過ごせるのではないでしょうか?
(2023年加筆)愚者は他人の成功から学ぼうとし、賢者は自分の失敗から学ぼうとする。
失敗してもいいのではないでしょうか?転んでもいいのではないでしょうか?
ただ、起き上がる時には何かを掴んで起き上がって欲しいものだと思います。

松下幸之助 仕事に哲学をもて

商売は必ず儲かる

 ある場合には損をするということが、さも常道のごとく、商売は損して得とれやと言うて、原価を割って損して売ると言うのは、かえってお客さんに申し訳ないわけですわね。なぜかというと、お客さんは儲けさせてやろうと思て買うてくれるんですから。商売というものは絶対に損しないものである。商売はすればするほど儲かる、損は絶対にあり得ない。これが商売の常道であ理ます。(昭和37年5月10日・久保田鉄工販売研修会)

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