道をひらく 体験の上に

道をひらく 松下幸之助著

目次

体験の上に

ここに非常な水泳の名人がいるとする。そしてこの名人から、いかにすれば水泳が上達するかという講義をきくとする。かりに三年間、休まず怠らず、微に入り細にわたって懇切ていねいに講義を受け、水泳の理を教えられ、泳ぎの心がけをきかされる。それでめでたく卒業のゆるしを得たとする。だがはたして、それだけで実際に直ちに泳ぎができるであろうか。
いかに成績優秀な生徒でも、それだけですぐさま水に放りこまれたらどうなるか。たちまちブクブク疑いなし。講義をきくだけでは泳げないのである
やはり実際に、この身体(からだ)を水につけねばならない。そして涙のこぼれるような不覚の水も飲まねばならない。ときには、死ぬほどの思いもしなければならないであろう。
そうしてこそ水に浮けるし、泳ぎも身につく。体験の尊さはここにあるわけである。
教えの手引きは、この体験の上に生かされて、はじめてその光を放つ。単に教えをきくだけで、何事もなしうるような錯覚をつつしみたいと思う。

今日は「体験の上に」です。

3ヶ月間松下幸之助の「道をひらく」を学んで来たのですが、ではこれだけで直ぐに実践できるか?となるとかなりの疑問があり、直ぐには難しい。ということになるのだと思います。
大学で経営を教えてる先生が成功できる経営者になるかというとこれも疑問がつくのだと思います。
しかし、学ばなければ何事もまずは頭で理解できません。これから皆さんが成長されていく方法は「学び、実践する」ということの繰り返しだと思います。どちらがひとつが欠けても社会人としては良い成長は望めないのではないと思っています。学習と実践は人生を歩む両輪です。日々学んだことを実践する。また、実践したことを再度学び直し修正する。これを真剣に繰り返すことによって、大学の先生ではできないことが私達はできるようになるのです。ただしどちらも時には命懸けでことに当たらなければ本当の意味で学習、実践できたことにはならないかもしれません。そこにはたまに挫折感を味わうようなことがあるかもしれませんが、1人で生きているわけではありません。共に学んでいる仲間を信じ、お互いが助け合い、共に成長できる仲間として頑張って欲しいと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次