道をひらく 敵に教えられる

道をひらく 松下幸之助著

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敵に教えられる

己が正しいと思いこめば、それに異を唱える人は万事正しくないことになる。
己が正義で、相手は不正義なのである。いわば敵なのである。だから憎くなる。倒したくなる。絶滅したくなる。
人間の情として、これもまたやむを得ないかもしれないけど、われわれは、わがさまたげとばかり思いこんでいるその相手からも、実はいろいろの益を得ているのである。相手がこうするから、自分はこうしよう、こうやってくるなら、こう対抗しようと、あれこれ知恵をしぼって考える
そしてしだいに進歩する。自分が自分で考えているようだけれど、実は相手に教えられているのである
相手の刺激で、わが知恵をしぼっているのである敵に教えられるとでもいうのであろうか。
倒すだけが能ではない。敵がなければ教えもない。従って進歩もない。だからむしろその対立は対立のままにみとめて、たがいに教え教えられつつ、進歩向上する道を求めたいのである。
それが自然の理というものである。共存の理というものである。そしてそれが繁栄の理なのである。

今日は「敵に教えられる」です。

いつもいっているように市場には3C(敵、お客様、自身)しかないのであります。
つまり、敵が沢山いてます。よくプロの選手の言葉に「ライバルがいたからここまで来れました」というセリフを耳にすると思いますが、自分たちの成長には敵というものはやはり必要な存在であるのかと思います。
会社の成長にもライバルは必要であり、個人の成長にもライバルは必要なんだと思います。
もし皆さんにライバルがいないのならそれはある意味ぬるま湯に浸かっている状態なのかもしれません。私のライバルは同じく経営をしている人達です。
直接話ができる人もいれば、本でしか読むことができない人もいてます。その人達がどのように会社を発展させ、どのように人を育てているのかいつも気になって、ある意味ライバルと考えてその人達から知恵を盗もうとしています。競合他社から大いに学んでください。会社の同年齢の人達からライバル意識を持たれるぐらいの人間になってください。そのようなある意味いい敵に出会えることが人生にとって大事なことであり、自分やその人の成長につながっていくのだと思います。

松下幸之助 仕事には哲学をもて

ダメを押した上にもダメを押す

皆さんは毎日、良品を作ることに、不良のない物を作ることにせいいっぱい努力しておられる。けれども、どこか注意の欠けるところがあるんではないか、もう一つダメを押すということをしてないのではないか。ときどきそういうことを感じますので、今後はダメを押したうえにもダメを押してやっていただくように、特にお願いいたしたいと思うのであります。(昭和四十四年八月十日・松下電器幹部社員への講話)

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